7版で変更されたこと
7版になって大きく変わったことは以下の通りです。
- プロセスに合わせた標準から、原理原則を基準とするように変更
- 10の知識エリアが8個のプロジェクトパフォーマンス領域に変更
- 成果物を生み出すこと以外にも、成果物の品質やそれによって得られる価値を重要視
- プロジェクトマネージメントの取り組みのあり方である「テーラーリング」や、メンバーの「スチュワードシップ」を強調
第7版は、ざっくりと一言でいうと「スポンサーと一緒に、より高い価値のある成果物を作るためには、プロジェクトメンバー全員が誠意をもって活動することが重要」と読み取れます。
これからのプロジェクトのあり方
「プロジェクトの目的がなかなか定まらず先に進まない」
「スポンサーからの要求事項の変更が多く、対応が取れない」
「先週までと違うこと全く違う要求を客先から言われている。こんなことが何度も続いている」
こんなことがプロジェクト進行中に起きた場合、これまでは「QCD」の管理上あまりよくないものとして、嫌っていませんか?逆に、「そんなことは日常茶飯事」という人にとっては、既にウォーターフォール型(予測型)のプロジェクトが古いというイメージを持っている人もいるかもしれませんね。
もしそう思っている人がいれば、考え方を変えていかないといけないのかもしれません。
プロジェクトの内容に沿って、成果物のあり方が自由に設定できるようになったと考えなおす必要があります。それぞれの認識の違いは何でしょうか?
予測型(ウォーターフォール型)のプロジェクト・・・成果物は完成しなければならないもの
適応型(アジャイル型等)のプロジェクト・・・成果物は期限の中で最大の価値となるもの
この違いが2つの認識の違いです。これまでのPMBOKでは、期間内にプロジェクトを完了させるには、成果物を完成させないといけないと考えていました。しかし、本来の成果物とは、完成させることではなく、価値の向上こそが最も重要であるという原理原則に立ち返ってみましょうと、7版のPMBOKでは考え方を見直しています。
成功のカギはプロジェクトマネージャではなく、プロジェクトチームメンバである
PMBOK7版では、プロジェクトマネージャの登場はかなり減っています。代わりにプロジェクトチームの重要性やあり方が重要視されています。プロジェクトマネージャの影が薄くなったように感じてしまいますが、これは、プロジェクトメンバー役の各人が求められるレベルが上がったのだということです。
PMBOK7版は、プロジェクトの進行やステークホルダーとの関わり方が複雑化する為、プロジェクトチームのメンバー各自がリーダーシップを発揮し自律的に行動し、価値を生み出すことが重要であるという考え方を広めようとしているのだと思います。