OpenFoamでサイクロン内の流速の変化と流れを確認します。
サイクロン装置条件
全長2m、胴部の直径:700mm

流体と粒子の条件
粒子:密度が1500kg/m3の粒子の分級
想定する粒子直径①0.0001m,②0.001m,③0.01m
輸送流体:窒素ガス(密度1.2kg/m3)
それぞれ①~③の終末沈降速度は
粒子径 | 終末沈降速度 | |
① | 0.1mm | 0.362m/s |
② | 1mm | 5.013m/s |
③ | 10mm | 32.07m/s |
計算結果

系内の平均圧力は15~16kPaに対して、流入圧力は23~24kPaなのでちょっと圧力差が高め。実際のサイクロンでは、1~4kPa程度しか圧力差が出ないことを考えると、ちょっと圧力損失は強めになってしまいました、、

今回の計算は、非圧縮性流体で計算している為、流速が上がると圧力損失が過剰になりやすいようです。
流れの様子について

私の認識では、サイクロンの流れは「下向きの旋回流で粒子を壁に接触させて減速し、その内側にある内筒管に向かって低速の上昇流によって微粒の粉塵のみが吸い込まれる」という認識でしたが、認識の通り旋回流は発生していることが分かりました。

さらに旋回流の大部分は1回転しかしておらず、旋回後は低速状態(0~3m/s)で内筒管に吸い込まれているのが分かります。(吸い込まれた後の内筒管の中は流速が15m/s以上に上がっています)
これによって粒子径1mmであれば、終末沈降速度を超えていない為、分級は1mm未満であることが分かりました。